ジージャー・ヤーニン応援ブログ

いいえ、女優ジージャー・ヤーニンを応援するブログですとも。

ルパン三世 Green vs Red 8

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テレビからはサッカー日本代表を讃えるアナウンサーの声。
新時代がどうの、ヒーローたちがこうして生まれるとか、「彼らの未来は、日本の未来はまだまだ広がって行くのです」と。
ヤスオは反芻します。
ヒーロー、新時代、未来...どれも自分とは縁の薄いものでした。
時代の不公平をラーメン屋の片隅から睨めつけたところで、世界が変わるはずもありません。
焦燥と諦めに呑まれそうな、そんな最中のこと。
ふいに、ヤスオの面前に、いくつかの「記号」が灯り始めるのです。
誂えたかのようにぴったりの、忘れ物の緑のジャケット。
人ごみで興じたスリで手に入れてしまった、凶銃ワルサーP38
「記号」を辿れば、それはひとつのヒーローの姿を浮かび上がらせて来るのです。
自由と崇高な魂を讃える、あるひとりのヒーローを。
ヤスオは大きな博打に出ます。
「よっしゃ、そうさ、楽しみにしてろよ! これは、運命だ!」
未来も、愛も、人生も、来ないのならば自分から奪いに行くだけのこと。
宝石を盗みに行く計画を練るヤスオ。
でもヤスオは、自分を強盗だとは思わないないのです。
情報を駆使する知彗と、判断力と洞察力。
そして己を試そうとする挑戦の精神。
おもしろい!
自分がおもしろい。
通信とパソコンを駆使し、緻密な侵入の計画を練る試みを楽しみだしたヤスオがいます。
試されているのは、自分の魂なのです。
ヤスオの心はこのうえもなく高揚します。
それは紛れもなく、かつて想像したことも経験したこともない、心から求めたホンモノのエクスタシーでした。
あたらしい人生がうごきはじめたような気がしたのです。