ジージャー・ヤーニン応援ブログ

いいえ、女優ジージャー・ヤーニンを応援するブログですとも。

ルパン三世 Green vs Red 7

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ヤスオには何もありません。
孤児として施設で育ったヤスオは、「悪いことさえしなければ」と諦められて見捨てられ大きくなって行きます。
ヤスオが暮らして来た日々は、格差社会の最底辺の現実の中にありました。
「今日を変えたい」と願っても、キモチの大きさを超える「現実」がいつも彼らの頭上にのしかかります。
資格があってさえ仕事に困る世の中です。
ヤスオに出来ることがいったいどれくらいあるというのでしょう。
いえ、実に、何もないのです。
ヤスオが生きていくのに役に立つもの、頼れるもの、それはおのれの意地と頭の回転、妄想癖と手癖の悪さくらいのもの。
繁盛の気配もないラーメン屋で、居眠りをしながらのアルパイトの日々。
「いい色じゃん」と、客が忘れていった緑色のジャケットを掠めるヤスオ。
何も起こらない日々。
新宿に出てはヒトゴミの中、スリをはたらく瞬間くらいが、彼が生きている高揚を感じる時でした。
そんなある日のこと、いつもの小さなスリルに興じていたそのとき、彼はふいに、ひとかたまりの重さを受け取ります。
ヤスオは驚きます。
鉄塊の正体、それはワルサーP38、伝説のルパン三世の愛銃でした。