ルパン三世 Green vs Red 18

「ルパンはどこだ?」と、ルパンたち。
そこにはもうお目当てのルパンはおらず、口を塞がれ縛られた刑事がいるばかり。
拘置所へ到着したルパンたちよりひと足はやく、万引き犯ルパンを連れ出したのはタカシでした。
彼もまた、ルパンに憧れルパンを装い演じる若者のひとりです。
「ホ～ントスッゲエ～助かりました、さっすがあ、オレもはやく一人前になりてえなあ」と万引き犯ルパンは、すっかりタカシの舎弟気取りです。
しかし脱出を喜んだのも束の間、逃走するふたりの前に、警察のバリケードが立ちはだかります。
圧倒的な包囲網です。
もうダメだとあきらめる声を尻目に、「ダメとか言ってんじゃねえよ!」とイチかバチかの気合を込めて、タカシは強行突破を試みます。
無敵のフィアットは野を駆け山を駆け、川を走り、ヤスオの洗濯物を水浸しにし(笑)、バリケードを突破しました。
そして追っ手を振り切ってたどり着いた先に待ち構えていたのは、ほかでもない、恥をかかされて立腹しているルパンたちそのものでした。
コンビニ跡のアジトに群がるルパンたち。
若者たちが憧れたヒーロー。
それを汚すことは許せないといきり立つ彼らの内に、そもそもオリジナルはいません。
それでも、崇高な魂に憧れる思いは同じです。
彼らの誰もが、自分こそルパンだと思っているのです。
ただ、そのどこにも、やっぱり、次元も五ェ門もみあたらないのですが。