ジージャー・ヤーニン応援ブログ

いいえ、女優ジージャー・ヤーニンを応援するブログですとも。

ルパン三世 Green vs Red 53

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ナイトホークス社事件以来、ヤスオの消息もわからないままユキコの廻りをただ時は流れて行きます。
意を決してグリーン軒を訪れるユキコ。
でもそこには、もうヤスオの姿も痕跡も残ってはいないのでした。
ユキコの知るヤスオは、もう、いなくなったのです。

数日後、都内を疾走するフィアットの中には、新しいルパン三世と次元の姿がありました。
療養のため留守となった片山刑事の代わりに、彼らを追う三上警部。
包囲の指示を出す三上は、この言葉を付け足すのでした。

「三上だ!新宿靖国通りにまたルパンだ!そうだ、応援を頼む!」
「ああそれとな、ひとつ言い忘れてたんだが..」
「何です!?」

「今度のは、新型だ!」

何も始まることもない「悪いことさえしなければ上出来だ」と言われるままの自分の人生に向けて、「ひ弱だろうとカスだろうと、オレたちの未来はオレたちのものだ」と啖呵を切ったヤスオ。
諦めていった仲間たちの辿り着けなかった未来への到達。
いま、ヤスオは、ルパン三世として生きるという道を選んだのです。
新しい世界への旅立ちはまた、過去との決別でもあります。
「あなたなら、大丈夫」と、その背を押してくれたユキコの祖母が亡くなったことを峰不二子から聞き、ひとり、墓参りに赴いたヤスオ。
過去への決別がそこにありました。
退院してきた片山刑事は、新しい銭形警部を継いでいくことでしょう。
そしてタカシが、アフロヘアーの後輩たちが、ヤスオのもとに集い始めます。
ルパン三世はもう、ひとりではないのです。
かつてヤスオと呼ばれた若者はもう、どこにもいなくなりました。
ヤスオがヤスオであったことの証は残りません。
ただ、フィアットのバックミラーに掛けられたペアリングの片割れだけが、かつてユキコという女性に思われた若者がいたことを示すのでした。