猫太の場所
そんなある日、幼かった猫太のおなかをぽんぽこと叩くと良い音がしたので、ああ、この子を楽器として育てていこうということに決めて納得したりしたものです。
そのうちに本人がドラムをたたき始めたので、人間楽器化計画は露に消えてしまいました。
最近はヒトのふとんを寝床ごと奪って占領している猫太ですが、寝ている最中は足などがあったかいので、暖房器具として生きる道も残されています。
しかし、夏場は嫌われます。
あとはまあ、そもそもたいへんなイケメンですから、アラブの王様あたりに売りつければそれなりに儲かるかもしれないとは踏んではいますが、どうにももったいないので却下でしょう。
そこで最終的に思いついたのは、猫太がハタチになったら、わたしの脳味噌を猫太のカラダに移植して、猫太の脳味噌をわたしのカラダに移植するという手です。カンペキな実用ですね。
でも、猫太はＯ型。
わたしはＡ型なのでこれは不可能だとも判明してしまいました。
残念。
まあ、猫太はなぜかイルカのようにスイスイ泳げるので、いざとなれば海に逃がしてあげるというのもアリでしょう。
でもこのままだと、役立たずのレッテルが貼られてしまいそうでかわいそうです。
世の中は容赦しませんしね。
猫太が燃えるゴミの日に出されるのも時間の問題ですね。
