ジージャー・ヤーニン応援ブログ

いいえ、女優ジージャー・ヤーニンを応援するブログですとも。

映画に酔いしれるということ

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昭和の昔には暮れと正月、お盆には、映画の興業がひとつの大きな娯楽の位置を占めていたものです。
現在でもいくらかそうした流れの名残はあるものの、総じて映画には「季節感」というものが失われつつあるようにおもいます。
もっと言えば、映画館に足を運ぶことの価値と、自宅の大画面でBDなりDVDでゆったりと映画を楽しむことの価値が、いまや逆転しつつあるとも感じています。
映画館で率先してある特定の映画を観るというキモチは、まずはロードショーによる「最新」の体験をしたいという思いと、わざわざ足を運んで観に行くというイベント参加の意識のたまものでしょう。
実際、「さあ、どうなるんだ!?」とエヴァとか、やっぱり観に行ってしまうわたしなのですが(笑)、そういうキモチが大きいのは事実ですね。
逆に言えば洋画のロードショーなんかはあんまり焦って見たいワケではないのも本音です。
たしかに自宅でゆっくり観たほうが気楽なのです。
そうした意味から考え合わせても、劇場が集客のために工夫を凝らし始めたのもうなずける流れでしょう。
で、まずは3D。
ご多分に漏れず、次回の「チョコレート・ファイター2」もコレの予定ですね。
そして話題づくり。
先日は映画「ワイルド7」の公開に向けて劇場イベントとして「舞台挨拶で俳優を呼ぼう」という企画が成されていました。
投票を更新して当館に出演者を呼びましょうというのですから、なるほどこれはDVDでは成せないワザではありますね(って、ホントはまあ、DVDでもサイン会とかあるのですが..)。
しかし悪いんですけど、ソレってやっぱり「小手先のワザ」ではないでしょうかねぇ。
昔はやっぱり、映画そのものに「チカラがあった」のではないかと思うのです。
1作の重さ、というものが。
典型的なのは劇場を出てくるひとたちのたたずまいとかにも、その映画の影響が反映されていたという事実でしょう。
高倉健さんの映画を見終わると皆、2、3日の間は「不器用ですから」と表情をこわばらせる日々をおくったり(笑)、松田優作さんの「野獣死すべし」を見終わったら誰もが、リップヴァンウィンクルのハナシを誰かにしたがったり、ブルース・リーの「燃えよドラゴン」を思い出しては不意にアチョー!と叫びたくなったりとか..
そうした作品たちからみると、いまの数多の映画がそもそもDVD発売狙いの乱造という印象を否めない質の低さなのです。
そうした中、あのタイの作品は久しぶりに重厚な1作でしたねえ。
いえ、どんな映画でもマニアックに掘り下げたり、 あるいは個人的なツボにはまったりすれば、それはそれで「大切な一作」にはなりはします。
わたし自身にも「そういう映画」はいっぱいあります。
それでもその映画ですら、皆さんにせよおそらく敢えて「劇場で観たい」とはならないのではないでしょうか?
そこらへんからすると、やっぱり「チョコレート・ファイター」はスゴイと思うのです。
異例の密度の高さの1作なのですね。
酔いしれることの出来る昨今の数少ない名作のひとつを、こうしてわたしたちは知っていることが幸運なのだとも思います。
それだけに「チョコレート・ファイター2」への期待は大きく膨らんでしまうのですが..