ジージャー・ヤーニン応援ブログ

いいえ、女優ジージャー・ヤーニンを応援するブログですとも。

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ナンバー8と呼ばれるマフィアのボス。
彼はこの地区を仕切る支配者であり、マサシが魅入られたその女「ジン」の所有者であった。
ナンバー8とジンの道行きは一蓮托生、ひとつの番(つがい)なのだ。
マフィアの稼ぎは彼女の仕事なのであり、彼女のボスの意志は彼女の意志でなければならず、彼の痛みは彼女の痛みでなければならなかった。
強引なやり方で、高利で貸し付けた金の取り立てを仕切るジン。
善も悪もない。
それが彼女の仕事であり、彼女のボスの意志なのだから。
暴力による取り立ての制裁を受ける者の痛みを、冷ややかに他人事として受け流すジン。
待ってくれ、許してくれと懇願する者たちを無視して、タバコをくゆらす。
痛みの声に心を閉ざすジン。
何故なら、それが彼女の仕事なのだから。
仕事に忠実に、自らの行いを頑ななものにして行くジン。
そして彼女の傷、彼女の運命が刻んだこころの傷に惹かれ、彼女を求めだすマサシ。
導かれるかのようにふたりは急速に近づいて行く。
一方でジンの冷酷な取り立ては続く。
恨みも嘆きも、すべては人ごととして、泣きすがられ、家族が見ていようとも、彼女は聞く耳を持たない。
「お願いします、持ってかないでください!この金は商売をはじめるために必要な資金なんです!」
「お金は必ず返すので今日は勘弁してください!」
彼女には届かない。
どんな痛みも彼女の心には関係の無いことだから。
でも、人の心は石でも木でもない。
心は運命を造って行くのだ。
そして彼女はいま、たくさんの運命の種を蒔いていることに気付いていなかった。