ルパン三世 Green vs Red 36
ルパンを追うもうひとつの目。
ユキコは胸騒ぎにとりつかれて、ルパンの生き字引と呼ばれる「紅屋」のもとを訪れていました。
調べれば調べるほど、謎に満ちていくルパンの存在。
彼の存在は何故かユキコを不安にさせるのでした。
「ルパン三世について調べている、と?」
「はい、ご主人はルパンの生き字引だって聞いて」
「それほどのもんじゃないがね..で、いったい、ルパンの何が知りたんいんだ?」
「素顔です」
「素顔?」
「たとえば、国籍」
「(笑)、国籍と来たか(笑)」
「ごまかさないでください!彼はいったい..」
「ルパンには国籍も国境も関係ないのだよ」
「彼は..自由そのものだ」
「どういうことです?彼だって人間じゃない、悩みとか、苦しいこととか..」
「そんなものは、ルパンには似合わんよ」
「え?」
「いつだって、粋でクールな男さ。少なくとも、ルパンになってからはね」
「ルパンに..なる?」
「お嬢さん、お名前は?」
「ユキコです」
「いつから、ユキコさんなのかな?」
「いつから?」
「昔、誰かが言ってた。男は男に生まれるのではなく、男になるのだ、と」
「ルパンもまた、然りだ。」
女の勘なのでしょう。
ユキコは正体不明の疑心暗鬼にとりつかれていました。
「どうしてだろう、ルパンの秘密知るの、なんだか怖い..」