ジージャー・ヤーニン応援ブログ

いいえ、女優ジージャー・ヤーニンを応援するブログですとも。

ルパン三世 Green vs Red 23

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難を逃れ一息つくタカシたち。
タカシはつぶやきます。
「たく..ルパン三世一斉検挙って..ルパンの名に泥塗ってんのどっちだよ..」
相棒に納まったもうひとりのルパンが言います。
「でも、まぁよかったじゃないですか、オレ、スッゲエ楽しかったもん。」
「オレ、バカだし、何やっても人並み以下だったんすよね。」
そして興奮しながら続けるのです。
「あの数の機動隊ふり切ったんすよ、それに、世界中のルパン三世の追跡もかわしちゃって、あーんなデッカイ橋、フィアットで飛んだんスよ!」
「オレ、先輩に一生ついて行きます!次ぎ、何します?」
タカシの言葉が興奮を遮ります。
「うるせえ 」
「どうしたんスか?」
「いつまでも逃げられるワケねえじゃねぇか。ちいせえんだよ、お前も、オレも」
「どうしたんスか?急に?」
「ワリぃ、オレ、降りるわ..実家のネジ工場継げってオヤジ、うるせえんだ 」
「え!?」
「ルパンになんか成れるわきゃねえんだ、はじめから..」
現実が憧れに追いついてしまうときの虚しさが、タカシの心を覆います。
タカシはこの祭りから身を引くことを告げました。
それはどこか、青春の終わりの宣言に似ていました。
ある季節に、同じ価値観を共有出来た仲間たちを失うという現実。
喪失感がふたりの間に満ちて行きます。
タカシを見送り、せっかくはじまりかけた「あたらしい人生」を見送り、髪形をアフロヘアーにもどして帰って来た彼に、祖父が声をかけます。
「なんだ、もう帰ってきたのか」
彼は言葉を探します。
「じいちゃん..何かサ、デカいこと..したいんだけど..」
「..そうか」