ジージャー・ヤーニン応援ブログ

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ルパン三世 Green vs Red 14

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その王は「すべて」を持っていました。
富も名声も、美しい伴侶も聡明な王子も、帝国も、何もかもを。
貪欲な王は更に欲しがるのです。
彼が最後に欲したもの、それは「世界の支配の権利」でした。
王の掌の中には、凝縮された世界の運命の鍵、神秘学のいうエリキサ・ヴィタエ(賢者の石)、そして現世の終末と再生のスイッチがありました。
アイスキューブ。
それは、彼が到達したすべての価値の結晶でした。
そしてそんな彼に唯一、手に入らなかったもの。
それは「永遠の命」。
すべてを持ちながら末期ガンに侵されたその肉体は、王を狂気の行動へと走らせます。
儒教の教えが脳裏をよぎるのです。
孝行とは、創造するものを尊ぶことだと。
親は子を生むが、子は親を生むことは出来ない。
おのれの存在とすべてを秤にかけるのなら、私の考えは正しいのだ、と、彼は彼を肯定するのです。
王の狂気が到達した結論。
それは、健全な肉体に、神の叡知を宿す己の脳を移植する、ということでした。
すべての生命は、チカラの前にひれ伏すのだ。
ならばそのチカラを持つ王の行為のどこに咎があるというのか。
唯我独尊。
ただ私だけがすべて。
継ぐものに譲るすべては私の創造したものなのだから、私には、継ぐ者をも支配する権利が許されて当然ではないか。
マイク・ローガン。
その軍需産業のCEOの執着は、自分の息子の肉体を、自分のために捧げさせるという狂気に至ります。
彼はたくさんの人間の運命を歪めてしまうのです。
親を知らないで育ったヤスオは、やがてその王の醜い執着が生んだ「親」という存在のしでかした現実に出会うこととなって行きます。
ふたりの接点は、アイスキューブ。
それは、運命のキーワードなのでした。