ジージャー・ヤーニン応援ブログ

いいえ、女優ジージャー・ヤーニンを応援するブログですとも。

ルパン三世 Green vs Red 12

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朝焼けの中、東京へ戻る軽トラック。
無口なユキコと、とぼけたヤスオの道行き。iPodから流れる曲は「炎のたからもの」。
あの日、ヤスオのもとを訪れた峰不二子は言いました。
緻密な計画を練って、困難な仕事をやり遂げる。「あなたなら、大丈夫、しっかりルパンの仕事を出来るわ」と。
けっしてその煽てに乗ったワケではないのです。
ただ、もうその道しか、ヤスオに残された「あたらしい人生」の行く先は存在しないのです。
それでも、落ち着かないこころがヤスオを駆り立てます。
昼間は隠れてしまったヤスオでしたが、その夜、実はこっそりと一人でユキコの実家を訪れていました。
どうしてそうしたのか、自分でも十分には説明出来ないのですが、ただ、家族とか実家とかという暖かなものが、仮にも「自分を待っていてくれた」ということに、少しだけ期待と後ろめたさを感じたからなのでしょう。
もし、ほんの少し人生が違っていたら、そのひとたちは自分のはじめての「家族」になってくれたかもしれない人々です。
ヤスオはもう、違う「家族」を選んでしまいました。
だからいまは、仮にも自分を受け入れてくれたひとたちに、ただあやまりたかったのです。
説明の出来ないことを「あやまりたい」と無意味に正してお話をしても、何も伝わらないどころか怪しまれるばかりでしょう。
ヤスオは家人にはあえませんでした。
ただ、誰かにごめんなさいと伝えたいと思ったのです。
庭先から和室の前を通りかかったヤスオは、ふいに手招きでおばあちゃんに呼び止められ、挨拶することになります。
ヤスオにしてみれば、それが一番よかったのです。
誰かにあやまりたいだけ。
それは逆に言えば、恍惚の人だから曖昧に伝えても許されるだろうという想いが頭の中にあったからです。
おばあちゃんになら、と、都合がよく思えたのです。
そしてヤスオは寝たきりのおばあちゃんに話しかけます。
「あ、おばあちゃん、あ..元気ですか..元気じゃないですよね」「あの..昼間は..すいませんでした。オレ、ビビッちゃって..あの」と。
するともう「聞こえていなかった」はずのおばあちゃんが、明瞭に、ヤスオにこう言うのです。
「あなたなら大丈夫、しっかりがんばりなさいね」と。
ヤスオは驚きます。
それは、峰不二子がヤスオに告げたのと同じ言葉だったからです。