ジージャー・ヤーニン応援ブログ

いいえ、女優ジージャー・ヤーニンを応援するブログですとも。

ルパン三世 Green vs Red 11

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成り行きからしょうがなくユキコの実家を訪れたヤスオですが、心はそこにありませんでした。
今日までのほんの短い時間の中で起きた様々な「あたらしい人生」への感触が、彼の魂を虜にしていたのです。
ペアリング盗難事件の報道をきっかけに、自分の中に芽生えて来た意識。
そしていくつかの仕事を重ねるごと、おもしろくなってくる自分の人生。
事件は急展開の様相を呈して行きます。
ヤスオの部屋を訪れた魅惑の女性、そして緻密な計画を重ねて盗みを広げた先に待っていた、暗黒街の顔役の出現。
彼らはヤスオのことを、こう呼びました。
「よお、ルパン」と。
そして自分たちのことをこう名乗ったのです。
次元大介石川五ェ門、と。
彼らがホンモノの次元であり五ェ門なのかは、ヤスオにはわかりません。
しかし、十分なのです。
ヤスオにとってはこれで十分過ぎるくらいなのでした。
ワルサーP38が自分のもとに訪れた日から、彼が模索する「記号」は、確実にあるひとりのヒーローへとたどり着くように出来ていたのです。
そしてその「記号」は、この二人の存在で完全に埋まって行くパズルなのでした。
次元は言います。
「おもしれえことをやるんだろ?」と。
ヤスオの行く道は明らかにトレースされはじめました。
もう、後戻りは出来ません。
ユキコの実家に向かいながら、ご両親に会うことは出来ないヤスオがいました。
ユキコはカンカンです。
ふくれるユキコを尻目に、ヤスオは心の中で思うのです。
覚悟は出来てるさ、と。
もどかしさの正体、それはヤスオが二度とユキコの望む幸せに沿うことの出来ないという諦めと、この道を行くことへの不安と焦燥が生む感情でした。
でもヤスオは決心したのです。
それはユキコのおばあちゃんからの、思いがけないひとことのせいでした。