ジージャー・ヤーニン応援ブログ

いいえ、女優ジージャー・ヤーニンを応援するブログですとも。

うんと幸せ

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性同一性障害という障害があります。
苦しい、こころの痛みに溢れた障害だと思います。
想像してみましょう。
こころのおさまるべき器が違(たが)い、交わるべき人々との間がいつも理解への怯えからはじまる世界です。
痛みに溢れています。
わたしたちはそういうヒトの痛みにどういう風に向き合うべきかを、いつも他人事にしてしまいがちです。
一青窈さんは、このことをうたにしてわたしたちに投げかけます。
「受け入れて」といううたです。
どうしても、こころを傾けて聴いてしまうのです。
同じように、彼女のうたには亡くなった両親への痛みに溢れた想いを綴るうたがあります。
「大家(タージャ)」です。
おざなりな「お元気ですか、お世話になりました、あなたの愛に感謝します」といった類のうたではありません。
痛みの中から「もう戻れない」という想いを紡ぐうただから、心に響くのでしょうね。
そしてそういう、両親への切なく割り切れない想いから、一歩踏み出し、自分に「大丈夫」と言い聞かせた季節から進んで行こうという、彼女のあたらしいうたが最近、生まれました。
映画「私の中のあなた」の日本版主題歌「うんと幸せ」は、一青窈さんがライブのリハーサル中につくったうたです。
映画主題歌への起用は、歌の内容が映画のテーマに合っていたからとのこと。
一青窈さんのうたはいつも心に染みてきます。
このうたも、実は若くして自らの命を絶った友人への、自分の無力感や喪失感を反芻するうちに生まれたキモチを詩にしている唄です。
そういう背景を知らなくても、このうたをただ聞いているだけで「同じ土に還えるまでのすべて、それを幸せという」というフレーズに、いのちというものを感じました。
これがいまの、彼女が感じる「生きて行く」ということへの答えなのでしょうね。
言葉をしゃべれないウチの子が、このフレーズを口ずさんでいました(笑)。
このうたは、ライブ版をそのままネットで無料配信していたという経緯があるのですが、これも大切なことだったと感じています。
聞いてほしいうたがあって、それを垣根なく与えたい。
一青窈さんの行為には、いつもこころのカタチが見えたりしますね。
大好きです。