ジージャー・ヤーニン応援ブログ

いいえ、女優ジージャー・ヤーニンを応援するブログですとも。

覚悟

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「このお人形さん、お父さんの代わりよ。大切になさい」
ジンは途方に暮れていた。
どうしたらいいのだろう?
何をしてあげられるのだろう?

医師は言う。
「観たところ状態は悪くありません。だが他の子とちょっと違う分、特別なケアが必要になってきます。将来困らない為にも生きる術を身につけさせてください。」

生きる術?将来?
ああ、考えれば考えるほど恐ろしくなる。
医者は「感情を顕すことや他人とのコミュニケーションが難しくなる障害です」と簡単に言う。
でも知れば知るほど、これは大変なことだ。
生涯治ることはないという。
一日中ただ唸りながら同じことを繰り返して、目の前のことの何一つすら理解することが出来ないなんて。
百回も千回も同じことを繰り返して教えてはじめて、たったひとつのパターンしか身につかず、もしちょっとでもそのパターンがズレれば、止めどないパニックを起こして納まることを知らない。
何が痛いの?何が苦しいの?何が悲しいの?何がこの子の中で起きているの...
わからない。
「伝わらない」ってことがこんなに怖いことだなんて..
どうしたらいいの..

ジンは悩んだ。
悩んで、苦しんで、悩んで、悩んで、そしてあることに気がついた。
この子が愛おしい。
どんな障害があろうとも、このぬくもりが変わることはない。
そしてこの子には、自分しかいないのだ。
ジンは、覚悟を決めた。
そしてその決意を、愛する者に告げることで進んで行く証にしたいと思った。