ルパン三世 Green vs Red 30

「どうしたぁ、ルパン、そのくらいやれねぇと見込みねえぞ。やっぱお前にゃムリか」

ルパンの挑発に震えながら「うおぉー!」と、ワルサーを構え、発砲するヤスオ。弾丸はそれて目前のルパンにはかすりもしません。

「惜しいな」と、ルパン。

そのとき、勝鬨橋がおもむろに開き始めます。

退散する次元と五ェ門。

フィアットごとふり落とされまいと身構え、アクセルを全開にして踏ん張るヤスオ。

目を覚ますローガン。

「目ぇ覚めたかローガン、しっかり掴まってろよぉ!」

しかし傾いたダッシュボーﾄﾞからノートパソコンが落下し、ローガンの頭部を直撃。

ローガンの脳裏を、記憶が過ります。

「手ぇ離すんじゃねえぞぉ!」

落ちていくローガンを助け、声をかけるヤスオ。

持ちこたえたふたりと1台。

勝鬨橋を挟んで向かい合うこととなったヤスオとルパン。

ヤスオの意識はルパンに集中していきます。

ふいに、なんとかしのいだフィアットの中、助けられたローガンは、ヤスオを引き止めようと声を発します。

「うぁ、うう、ぁ」 と。

その思いは、助けてもらったヤスオを引き止めるサムの意識から生じたものでした。

しかし、ヤスオはその声をふり切るのです。

「わかんねえよ!お前のキモチとか!」

ヤスオは語気を強めて、吐き捨てるように言います。

「わかりたくもねえ!」