ジージャー・ヤーニン応援ブログ

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自閉症者への介添え

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映画「チョコレート・ファイター」の中では、四六時中ムンがゼン(ジージャー)のお守りをしています。
ムンは孤児で、イジメられていたところをジンに引き取られたという設定ですね。
ジンからめんどうを見るように、と言われているとは言え、ムンの介添えの手間というのは、その実、相当のものであり、まさに「無償の愛」のカタチにほかなりません。
ここらへん、ムンはまったく意に介さない様子です。
高機能自閉症児とはいえ 生活への介助はすべてたいへんなものばかりだと察します。
まさに「お守り」なのです。
ただ、ムンはそのことを幼いころからゼンと一緒なので、客観的に負荷として意識していないのでしょう。
でもこれは、現実的にはほんとうに大変なことなのです。
映画やテレビの物語の中で、目で「良い見本を見せてもらえる機会」を得ることというのは、私はとても大きく大切なことだと感じています。
すべてのヒトの想像は、その実はつまり、「見本」から模倣されるものだからです。
金八先生を見て先生を目指すヒトが生まれるのと同じですね(笑)。
そういう意味では、ムンはとても自然で大切なことを成しているといえます。
本人のセリフにもあるように、ムンはジンやゼンのためにいろんな工夫を考え出します。
そんなもの何になる、と疎まれようとも、ムンの行為はどれも前向きです。
そしてなにより、ムンが善意のひとであることが美しいのです。
ジンのため、ゼンのためということを、自然に成すムン。
劇中、ムンがベスパのうしろにゼンを乗せて走る「絵」は、私のこの映画の中でも大好きなシーンのひとつです。
ゼンもあどけなくて可愛らしいですが、自己をまったくかえりみない「ほんとうの優しさ」を持つムンの献身には胸が熱くなる思いを感じます。
自閉症者への無償の愛を、と唱えるピンゲーオ監督。
ほかでもありません、ムンは、ピンゲーオ監督自身の分身を表現しているのでしょうね。