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ジェリー・アンダーソン氏 逝去

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12月26日、サンダーバードの生みの親である英国のジェリー・アンダーソン氏が亡くなられました。
2年ほど前からアルツハイマーを患い、半年前からは著しく悪化していたとのことでした。
享年83歳。
ご冥福をお祈りするばかりです。
わたしが影響を受けている日本名での彼の主な作品を挙げてみましょう。

「海底大戦争(スティングレー)」
サンダーバード
「キャプテン・スカーレット」
「ジョー90」
謎の円盤UFO
「スペース1999」

このほかにもたくさんの作品が存在しますが、特にこれらの作品に個人的な関心が高いのは、それぞれが後に同じ設定上の時系列の物語りだと、裏設定で繋がっていくことになるからなのです。
近未来からはじまる壮大な未来の世界の想像を、少年たちに「目で見せる」という作業で語るその手法は圧倒的な魅力を放っていました。
アンダーソン氏はしかし、米国のスタートレックが映画のシリーズに移行したころには、金がないからできないだけで、わたしたちのほうが優れているのに、と悔しがっていたものです。
わたしは残念ながら、それは的外れだな、と、子どもながらに当時、感じていたものです。
たしかにアンダーソン氏の業績はすばらしく魅力に満ちていましたが、厳密にいえばそれらは、彼一人による想像の作業の結晶ではなかったし、彼の抱えた悔しさはむしろ、醜い嫉妬にしか思えなかったのです。
アンダーソン氏からは、幼いころから「成功者の傲慢」のにおいをずいぶん感じていました。
誤解なきように願いたいのですが、氏の人格がどうであれ、わたしは氏が作り出して来た世界にあこがれ、心酔して来たのは事実です。
なので、サンダーバードを嫌いだとか、謎の円盤UFOが嫌いだとか、そんなお話しではありません。
アンダーソン氏にはかつて、シルビアという奥さんがいました。
この方は、サンダーバードのペネロープのモデルです。
そして氏の作品の端々にひそむファッショナブルでセンスに富んだこまかな演出は、ほとんどすべてシルビア女史によるものでした。
当時、これらの作品の製作には、ゲイリー&シルビア・アンダーソンと記されていたものです。
スペース1999という作品が、中途半端にセンスを逸してしまっている原因は、シルビア女史との離婚により彼女のエッセンスが失せたためでしょう。
離婚は純粋にジェリー氏の浮気が原因です。
男女のことですので、しかも大昔のはなしですから、それをどうのとは評しませんが、現実には作品にそうした影を落とした原因がそこにあったという事実は否めないのです。
その後の氏の作品には、手放しで賛同できるものはありません。
さまざまな試みをつづけていたことを評価しますが、かつて「謎の円盤UFO」が纏っていたような魅力が戻ることは、結局はありませんでした。
それでも、氏が存在しなければこれらの傑作もまた生まれなかったというのが事実です。
わたしたちは、サンダーバードの描いた夢のアンカーです。
国際救助隊とは、なんと素晴らしい発想でしょうね。
世界は未曽有の危機の時代を迎えています。
彼の偉業を、どう未来に繋いでいくかを、いま一度考えてみなければならない時期に来たようににも感じているのですが、みなさんはどう思われるでしょうね。
ともあれ、ご冥福をお祈りするばかりです。