ジージャー・ヤーニン応援ブログ

いいえ、女優ジージャー・ヤーニンを応援するブログですとも。

つきないモチーフ 1

イメージ 1

20XX年、南部の片田舎のスタンド。
荒涼とした大地のなか強い日射しを背にして1台のバイクが爆音を轟かせ近づいてくる。
赤いドゥカティの1098S。
白いグラミチのパンツに、アヴィレックスの黒いロングスリーブシャツを着て、レイバンのハイラインをかけたその小柄な東洋人がブレーキをかける。
給油をしようとバイクを降りた直後、その東洋人を囲むように、地響きをたててクルマとバイクの6、7台の集団があらわれ、周囲を塞いだ。
サングラスの奥からその一団を睨めつける東洋人。
クルマからひとりのオトコが降りてきて、その東洋人に怒鳴り始めた。
「そのバイクをよこせ」ということらしい。
無反応を装い、東洋人は無視して給油をはじめようとする。
無視されたその集団は怒り心頭、怒声をあげ、一斉に東洋人に襲いかかろうとする。
手に銃を持つものさえいる。
しかし、瞬間。
10人の荒くれ男たちは、その小柄な東洋人に一瞬のうちになぎ倒されてしまった。
スタンドの片隅からその様子をみていたひとりの少年。
少年の名はケン。
偶然、事態の一部始終をみてしまい、興奮を隠せない。
東洋の奇蹟のような格闘術の早業を目の当たりにしたケンは、ひとり、漏らすかのようにつぶやいた
「Oh!Judo Boy!」と。
埃まみれの大地に影が落ちる。
最初に因縁をつけてきたオトコを組み伏せ跨がり、その東洋人は「いいか、これはわたしのモノだ!」と言い放つ。
その刹那、サングラスをはずした顔は、強い眼差しをもった若い女性のものだった。

クレジットタイトルが入る
紅三四郎
オープニングテーマへ