ジージャー・ヤーニン応援ブログ

いいえ、女優ジージャー・ヤーニンを応援するブログですとも。

チョコレート・バトラーの顛末

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映画「THE KICK」の評価としてではなく、DVD「チョコレート・バトラー」の評価ということで、プロモーションまでを含めての展開を考察してみたいとおもいます。
というか...わたし、この作品自体は別にどこも変わってもいないし悪い作品だともおもっていないのですが、こと、タイと日本においては、みんなどう思ったのかなあ、という点が気になり続けていたので考察してみたいとおもった次第です。
結論からいえば、このDVD導入の展開、セールスとしては首の皮一枚で成功だったといえると思うのです。
というのはほかでもありません、素のこの作品には、いまの目の肥えたコアなファをひきつけるほどの顕在的な魅力がほとんど感じられないからです。
個人的には嫌いではありません。
でも韓国の映画だと考えてもなお、10年以上前の感覚とセンスのダサさだと思います。
それでもここで「ジージャーを持ち出し、組み合わせた」ことが、首の皮一枚に繋がるワケですね。
このDVD、もしジージャーが絡んでいてくれなかったら、実際にはどれほどヒドいセールスになったかと考えると、つまりは「ジージャー主演のように演出した」プロモーションは正解だったのであり、タイでの劇場公開においても似たような効果に至っていたのではないかともおもうのです。
ただもちろん、こんな方法は一度使ってしまったら、ファンの信用は一気に失いもします。
ジージャーが表紙に載っていてももう誰も信用しなくなりますよね。
ここらへんはレンタルの回転にも影響することでしょうし、覚悟があってのことだったのかどうか知りませんか、察するかぎりここらへん、「古いやり方」の踏襲にほかならないのです。
実はむかしもこんなことはたくさんあったのですね。
たとえばカンフー映画で「ドラゴン」とつけばおのずとブルース・リーをイメージさせるという時期があって、情報がぜんぜんとれなかった当時は、まずは映画館に足を運ぶというような大雑把な流れでお客さんを引き寄せたという歴史が現実に存在しているのです。
「○○モンキー○○拳」とか「沈黙の○○」とか、まあこういう手法もプロモーションとしてはアリなのかもしれませんが、ジージャーがこの位置に見合わないのは、いまだ本邦でのメジャー劇場公開作品が1作しかない身だという点でしょうね。
ファンがしっかりとウォッチして質実な評価のなかで育まれるべき存在、それがタイの代表的な女優のひとりになろうとしているジージャーにふさわしいあり方でしょう。
この点を鑑みるなら、DVD「チョコレート・バトラー」は恥ずかしいプロモーション展開にのせられた失敗作だったと言えるかもしれません。
辛辣な言い方で申し訳ないのですが、忌憚のないところです。
でもこのムーブメント自体は、実はジージャーにとっては大いに意味のあったことだともおもうのですね。
まずはファッションやメイクです。
韓国の文化にふれたことで、センスはここで格段によくなって来ているのです。
写真の撮られかたも実に上手になってきました。
そしてプロモーションに「乗る」というしたたかさについても、結局はここではじめて顕在的に身についていくことになるわけですし。
で、つぎにこのDVD作品によるわたしたち日本人に対する最大の恩恵です。
ほかでもありません、それは「吹き替え」です。
2回にわたってジージャーの吹き替えを小清水亜美さんが担当してくださったことは、ジージャーのキャラクターの彩りを豊かにすることに、実に大きな貢献となって行くことでしょう。
この流れから生まれるであろう次ぎなる作品「ジャッカレン」のプロモーションには、ここまでのプロモーションの長所短所をよく考慮してあたってほしいものです。
期待してますので。