時間

ジージャーのいまの映画出演のペースは、デビューからこちら、１年１作にすら満たない状況です。
もちろん、乱発的にたくさんの作品に出演して数を稼げばいいというものでもありませんし、ひとつの大作を成功させるべく、そのプロモーションで各地を行脚するのもひとつの「作品造り」には違いありません。
ただ、ひとりの女優をとりまく「時間」という問題だけは、そうした正論に反して無情に刻々と過ぎていくばかりです。
２０代にしか出来なかったであろう可能性や、世界の揺れ動きにこそ応じ表現すべき機会というのも、まちがいなくあったはずであり、それらに対して機を逸したというのも一方の現実です。
これらの問題はもちろん、ジージャー自身ではなく、ジージャーを取り巻いた人々の責任です。
過去経緯を考えあわせ現実を鑑みれば、あいかわらずジージャーは、自分の不遇をだれのせいにすることもないのです。徳の高さを感じる人格であり、わたしなんかはジージャーのそういうところを大いに評価するのですが、そういう美徳にしてみても、まずは彼女自身を知る機会が削がれてしまえば意味もなくなるのです。
こういう危機感を、ジージャーをとりまくこれからの環境がおおいに意識していってくれること、そのうえでなおマイペースであってくれることを、今後の彼女の活動のなかに望みます。
祈るように、切望します。
ジージャーのスタッフは、もっともっと世界に向けてよく目を見開いて、時間というものが誰にも公平に過ぎていくものなのだということを噛みしめてみてほしいと思うのです。