ジージャー・ヤーニン応援ブログ

いいえ、女優ジージャー・ヤーニンを応援するブログですとも。

ヒカルの碁

イメージ 1

日本のマンガにはもはや、文学的な深みや芸術的な描画レベルに達している傑作も多いのですが、そうした作品がかならずしも人気を帯びるワケでもないというのも一方の事実です。
そうした中で、小畑健先生作画によるいくつかの傑作は、内容においても人気の面においても正当な評価に至っている稀な存在だと思うのです。
先に「デスノート」について触れましたが、時期の近い「ヒカルの碁」も、圧倒的な大傑作だと言えるでしょう。
物語の演出上、きわめて秀逸なのは、主要キャラクターである「藤原佐為(ふじわらのさい)」が、中盤以降(単行本15巻以降)バッサリと出なくなっている点です。
スゴいことだと思います。
読者受けのために人気のあるキャラクターを上手に引っ張って、悶々と物語を連ねていく、というのが、アンケート依存の過去からの少年ジャンプのやり方なのに、見事な断ち切り方なのですね。
おかげで同作は、こうして何年もの月日が流れても、痩せることなくその情熱を伝えてきてくれる傑作に仕上がっています。
こうなると、出版社がかつてどこだったか、なんてことはもうブッ飛んで、その作品に込められた「真価」こそが評価の対象として遺ることとなって行くわけです。
本来、そう、あるべきことなのですが、なかなかコレがかなわないコトなのですね。
お金を稼ぐための糧であるかぎり、歪められてしまうことの多い少年誌の創作の世界の現実ではあるのですが、その隙間をどうかいくぐったのか、すばらしい傑作が生まれています。
読まないと損ですね。