ジージャー・ヤーニン応援ブログ

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映画のなかのヒロイン 2

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映画「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」はすでに十分に有名なタイトルですが、まだまだそのお話しの内容をご存じない方もおおいことでしょう。
日本でこそキャラクター名で「リスベット・サランデル」の名前を出しても通じないことでしょうけれど、スウェーデンではすでに英雄の名前ですし、もうすぐ欧米でもそのようになって行くことになるでしょうね。
ハリウッド版の「ミレニアム」のシリーズは、第2部製作の途上で頓挫しているとのことですが(なんだかチョコレート・ファイター2を彷彿とさせますね)、多くのひとびとに待たれている作品であることに間違いはありません。
では、ひとびとは何に惹かれて彼女の活躍を待っているのでしょう。
それは彼女の行動のなかに、現代を生きる人間の省みるべき「本質」を見出すからなのではないでしょうか。
映画「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」は、最初にスウェーデン版が公開となり、3部作で一応の完結をみています。
この展開に続くかのように、ハリウッド版のリメイク「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」が製作されるのですが、どちらも優れた作品に仕上がっています。
ネタばらしは避けましょう。
ぜひ、ご自身でご覧になってみてください。
個人的な馴染みとしては、先行して何回も見直す機会を得ているスウェーデン版に分が有るのですが、強く惹かれるのはハリウッド版のほうです。
それはたぶん、スウェーデン版と違ってハリウッド版では、リスベットの「映像記憶能力」や異常に高い知能やハッキングの様子の描き方などで、原作以上により明瞭にリスベットのアスペルガー傾向をあらわしていることに惹かれてのことだとおもうのです。
自閉症の描かれ方はそれぞれです。
まあ、この映画をそういう基準でみるヒトはほとんどいないことでしょうけれど(笑)。
この物語りは、4作目にあたる部分の公開を(ほとんど執筆されていたそうですが)前に作者が亡くなったため、原作においてもリスベットについてのすべての謎は明かされないままになっています。
作者は、15歳のときにレイプされている女性を見てみぬふりをして逃げてしまい、そのことを悔いてその女性にのちに謝罪したのですが許されなかったとのことです。
その女性の名が、リスベットでした。
スウェーデンでの女性層ファンによるリスベットへの思い入れは社会現象に近いものがあったとのことですが、わたしには、なんだか頷けるところがおおきいなあ、とおもえるところなのです。
この作品、ある層のひとびとにはおそらく、受けが悪いことでしょう。
ミステリー作品として軸を置き語る輩や、リスベットを好きになれない輩などの手にかかれば、それはもう酷評やシラケ具合も想像容易です。
かえりみて、「チョコレート・ファイター」も、そんなふうに「障害者同士の戦いを陰惨に描く、阿鼻叫喚の地獄絵図」のように語った輩がいたことを思い出します。
ヒトの口に戸はたてられないとは言いますが、ここらへん、いまとなってはどうにも、それほど勝手の通じる「正当な言い分」にも思えなくなってきてるんですよね。
とり方がひとそれぞれ、というよりも、こういうのって、わたしには、ものごとをキチンと真摯にみるこころのチカラの弱いひとの、垂れ流しの文句にしか、このごろは思えなくなっているのです。
世の中って、テレビのバラエティーに慣れすぎなのではないでしょうか。
何かを真摯に伝えようとするものを、もっとしっかりと見出す感性って、いま手放してはこれからはもう、取り返せないものになってしまっているのかもしれませんね。