ジージャー・ヤーニン応援ブログ

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小林清志さんのこと

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2010年の「ルパン三世 the Last Job」を最後に栗田さん、小林さんを除く主要声優陣の交代が成されたルパン三世ですが、当初、この「the Last Job」という副題が作品にそぐわない曖昧なものに感じられたものでした。
いまにしてみればそれは、井上さん、納谷さん、増山さんのお仕事への餞(はなむけ)だったと察するのです。
ルパン三世のオリジナルキャストとしては、唯一小林清志さんが残られたわけですが、小林さんにしてももう80歳です。
パイロット・フィルム版からはじまり今日まで、小林さんは一貫して次元の声をこなされて来た方です。偉業としかいいようがありませんね。
小林さんは故山田康雄さんとも親交のあった方で、天才であるがゆえに山田さんが纏うアーティストエゴを承知で、上手にお相手をされていたと伺っております。
小林さんや増山さんは、メディアへの登場を当時からすでに極力避けていらっしゃいました。
裏方が顔見せしてしまってはキャラクターのイメージが壊れてしまうでしょうという遠慮からのことです。
いまの世代の声優さんたちは男女とも皆アイドルの立ち位置にあって、キャラクターのイメージを武器にしてしまっています。
これはこれで時代の成すこととしてアリなのでしょう。
ただ、それだけに改めて彼の世代の声優さんたちの慎み深さや奥深さが感じられるというのも事実です。
そしてそういう重厚な声優陣が支えてくれていたのがこの作品なのです。
アニメのヒット作品は数あるものの、ことルパン三世という作品に関しては、声優さんの存在が何にも増して大きな位置を占めていると言えるのではないかと思います。
だからこそ、後を次ぐ新しい世代の方々のプレッシャーたるや、大変なものだろうとも察するのですね。
しかし現状、作品の完成に向けての心配というのは私はほとんど感じていません。
ベテランとなった山寺さんの完璧な演技をはじめとして、きわめて才能のある方たちの活躍をすでに目にしたからです。
むしろそうした新しいチカラを借りて、ルパン三世という未曾有のコンテンツがどのように進化していくのか、ほんとうに楽しみなところではあります。
銭形警部役の納谷さんは、胃を摘出されて体力が著しく消失してしまってもなお、ファンの声に応えたいと銭形役に執着されて来ました。
栗田さんを除いて一番若い井上さんでさえ、もはや70代なのです。
お疲れさまでした。
華やかなアニメ作品の裏に、さまざまな人生劇が隠されています。
偉業に拍手です。