2012年のルパン三世

普通に考えても、これほどの年月を経ていまなお意欲的な新作を生み出し続けるアニメ作品というのは数えるほどしか存在していないでしょう。
声優陣の交代や世界の情勢の変化を受けて、ルパン三世の世界はこれからどのように進化していくのでしょうね。
いたずらに痛快さだけを求め続けるのでしょうか?
カタルシス(こころの浄化)を描きうる深い内容にたどりつくのでしょうか?
実際にわたしたちは「カリオストロの城」という名作を知っています。
だからルパン三世に期待するのです。
ルパン三世という類まれなコンテンツの歴史の中に、時代の背景を受けた役割をになう次の1作は生まれうるのでしょうか?
ルパンの「なにものにもとらわれない自由さ」は、これから何を生み出し、どんなメッセージを発信していくのでしょう?
ルパンをとりまくすべての人々の回答に期待します。
それは「作り手」にも「ファン」にも、ということです。
ルパンをどこに着地させようと日々苦悩し続けている製作の方々にはもちろん、ルパンは愉しけりゃいいんだ、つべこべいうな、といい今日をたくましく生きているヒトにも、クラリスを救出しに行くルパンを自分のこころの糧として生きて来たヒトたちにも、それぞれの熱い思いに期待したいのです。
ルパン三世という名が負うものはとても大きいものだと思います。
そのいずれもの思いを再び背負いこんだ２０１２年のルパン三世を、こうしてわたしたちは見ることができるのです。
ひとつの作品がこんなふうに、進化しながらもその勢いを絶やすことなく続いているということ、そしてそれを目撃できる「いま」を生きていられるということはすばらしいことですね。
すべて、楽しみです。