ここからの、ルパン三世。
まず感じたのは、渾身の声優ものまね大会だなあ、という印象です。
ネットではなんやかやと言うヒトがいるけれど、似せる、という努力についてはこれ以上ないほどに結実していたと思います。
すばらしかった。
だから逆に言えば、これからの新しいルパンへと生まれ変わろうとはしていないという意味でもあります。
アニメ作品はヒットを目指すエンターティメントであり商業作品なのだという現実と向き合えば、ファンが望むものを提供することこそが「あるべき姿」なのでしょう。
だから文句は言えないのです。
でも、これではルパン三世に未来はないとも言えるのです。
誰かがいいました。
「ルパン三世というアニメは楽しくスカっとさせてくれる展開であればいいんだ、小難しいことを言うな」と。
まあ、目指せ寅さん、というところなのでしょう。
今回のストーリーについてはルパン一世を引っ張りだすなど、思ったよりも楽しめたという点はあるものの、始終「猫の恩返し」を彷彿とさせてくれる絵柄に戸惑ったのも事実です、なれてしまうことではありますが。
ただ、残念ながらこの作品、お行儀がよすぎ。
パチスロへのコンテンツ展開で用意された「ＦＵＪＩＫＯ」の映像のほうがよっぽど毒があっておもしろそうなのです。
ともあれ、いつどんなカタチで攻めに転じるかわからない「ルパン三世」という作品には、これからも目がはなせません。
楽しみに待たせてもらいましょう。
